夢庵の日替わりランチ新メニュー「豚肉となすの味噌炒め風」感想

記事内に広告が含まれています。

和風ファミレス夢庵の平日、日替わり定番ランチは3種類しかないが、たまに入れ替わる。秋ごろから3番目のハンバーグが消えて、「豚肉となすの味噌炒め風ランチ」に交代していた。

3つのメニューが、どの曜日でローテーションするのかルールは不明。4回続けて油淋鶏にあたったこともある。何度か通って、ようやく新メニューのなす味噌炒めにありつくことができた。

味噌炒め「風」の謎

新メニューも、油淋鶏と同じで名前が味噌炒め「風」となっているのが気になる。油淋鶏の場合は、唐揚げに中華風のタレがかかっているだけだった。それはそれで悪くないが、わざわざ「風」と濁しているのだから、本物でないことは覚悟した方がいい。

さっそく届いたおかずを見ると、なすはごろごろ4切れくらい入っているが、豚肉が見当たらない。どうやら炒める際の混ぜ方が不十分なのか、レンジでチンしただけなのか、豚肉の薄切りが固まってブロックになっていたようだ。

何度か箸をつけてみて、どうも期待していた味噌炒めの味がしない。松屋や中華料理屋で出てくる油でギトギトした炒め物とは違うようだ。豚肉を食べると、生姜焼きかと思われるくらいあっさりしている。

油が少ない炒め物

もしかすると夢庵の「何とか風」メニューとは、年寄りでも食べやすいように「油分を減らした」創作料理なのかもしれない。以前あった日替わりのハンバーグも、あっさり和風ダレで豆腐が入っているような食感だった。

若鶏のうま煮は介護食のように柔らかいし、油淋鶏は中華というよりせいぜい唐揚げ。味噌炒めも意図的に油を減らして、あっさりヘルシーにアレンジしているように思う。

おかずにコロッケは付いてくるが、こちらもスーパーで買えば60円くらい。肉もクリームも入っていない、淡泊なプレーンコロッケだ。これに比べると、ガストやバーミヤンで出てくる揚げ物だらけの日替わり定食はえげつない。

夢庵の定番ランチなら毎日食べても平気だし、カロリー的に罪悪感も少ないといえる。お客さんの年齢層が高いのは、単にお店の雰囲気だけでなく、メニューも食べやすいよう工夫されているからなのだろう。

年寄りが少食とは限らない

そして自分も自然とガストより夢庵に足が向くのは、ターゲットの顧客層ということだ。学生時代なら夢庵だと物足りず、バーミヤンで揚げ物まみれになって、さらにご飯大盛り、餃子も追加してウホウホよろこんでいたことだろう。

すかいらーく系のファミレスを観察していると、バーミヤンも日中は意外と高齢者が多かったりする。さすがに大ボリュームの日替わり定食は頼まないが、ラーメンに餃子とか、グループで来て適度におかずをシェアするパターンが多い。

年寄りだからといって、あっさり柔らか系の料理だけで済むものではなさそうだ。むしろ最近の草食系男子より、団塊世代の方が食欲旺盛に見えることすらある。夢庵でも天ぷらは常に人気のメニューだ。

業態から察する近隣住民の生活レベル

すかいらーくの各店舗は、立地と住民の年齢層、就業率や平均年収も計算して、慎重に業態を選んでいるように思われる。東京でも、都心や中核都市にはガストやジョナサン、バーミヤンが多く、郊外に行くほど夢庵、藍屋、魚屋路の和食専門店が増える。

高層マンションの立ち並ぶ武蔵小杉駅前には、価格的にワンランク上の藍屋があり、向かいにあるさらに高級なファミレス「ステーキのあさくま」としのぎを削っている。何となくファミレスの業態から、周辺住民の所得レベルがわかる気がする。

一方、巨大な団地があるところには、食べ放題のしゃぶ葉や、じゅうじゅうカルビが多く、回転寿司もたいてい見かける。平日はわりと空いているが、土日は行列ができるほど賑わうお店が多い。

今日は温うどんも選べた

夢庵の日替わりランチは、御飯セット以外に「せいろうどん」も選べるのが売りだ。常連になると蕎麦にも交換できたりするが、店員さんによって対応は異なる。客を見て判断するというより、食材の在庫やお見せの混み具合次第なのかもしれない。

今日はめずらしく「温かいうどんもOK」とのことだったので、そちらでお願いしてみた。夢庵のせいろうどんは癖がなく、冷たくても十分おいしい。たまたま今朝の最低気温は0度。12月に入って一番の冷え込みといえる寒さだったので、温うどんが選べたのはうれしかった。

夢庵のうどんは最近主流の讃岐うどんと違って、麺はきしめん風。スープは関東・関西中間くらいの味付けに思われる。東京の立ち食いソバだとツユが濃くて全部飲めないが、夢庵のうどんならあっさり飲み干せる。

何となく麺類は汁まで全部飲めた方が元が取れるというのと、後ろめたくない気持ちがある。小学生の頃、下水処理場を見学して、「味噌汁一杯分の廃棄物を魚が住めるようになるまで浄化するには、風呂桶一杯分の真水が必要」と聞いたのを覚えている。

単にマナーの問題ではなく環境保護の観点からも、食材はできるだけ残さない方がいい。少々意味は違うが、たとえ株主優待を使った無料ランチでも「据え膳食わぬは男の恥」だ。