ピザ屋なのに独自の和風総菜路線をつらぬくサルヴァトーレ西麻布

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サルヴァトーレ・クオモの株主優待ランチ紹介。店舗が集中している新宿エリア以外も開拓してみようと思い、日本橋に続いて西麻布に行ってみた。

めったに立ち寄らない高級エリアで敷居が高かったが、実は都内でもっともリーズナブルなメニュー構成とわかった。平日ランチタイムに暇があれば、六本木あたりから歩いて行っても損はない。

名ばかり分煙が残念

レストランの場所は、広尾駅と六本木駅の中間くらいで、やや広尾に近い。仕事の用事でもなければ普段は行かないようなエリア。しかも店舗は表通りから一本入った路地に面している。

立地と店構えからして、観光客よりは地域住民、近くで働いている人向けの食堂といった感じがする。麻布に住む人たちがどんな生活をしているのか想像もつかないが、道すがら高級車しか見なかった。しかもアスロンマーチンやランボルギーニといった、ベンツより高そうな車ばかりだ。

日本橋はまだ下町風情が残っていたが、同じ東京でも広尾は異世界。お値段もさぞかし高級だろうと思いきや、平日ランチは1,000円~とリーズナブルに提供されている。

注意点としては、分煙といいながら店内にまったくパーティションがないことだ。さいわいまわりのお客さんでタバコを吸っている人はいなかったが、単に喫煙者用のテーブルを固めているだけ。スモーカーが多ければ、店内は煙でモクモクになると思う。

ピザ/パスタ1品+サラダバー方式

西麻布のサルヴァトーレは、ピザかパスタ1品オーダーして、サラダバーが付くハイブリッド形式。メインのプレート以外にブッフェがつかない、代々木や吉祥寺、三鷹店よりもお得といえる。

選択肢はいくつかあったが、初心に帰ってマルゲリータのピザを注文した。焼き立てのナポリピッツアを確実に食べたいなら、ブッフェ店よりオーダー後に焼いてくれるお店の方が間違いないといえる。

ピザの種類は1種類しか選べないが、完全ブッフェ形式と違って「冷えたピザしか残っていない(補充もされない)」というリスクは避けられる。

  1. ピザは専用で焼き立てデリバリー
  2. ほかはブッフェで取り放題

もしかすると、サルヴァトーレのランチではこれが一番お得なパターンかもしれない。西麻布店のブッフェコーナーはサラダと惣菜いくつかしかなかったが、品数を増やしてデザートも加えてくれれば、最高の組み合わせといえる。

厳選された惣菜コーナー

サラダバーは基本の生野菜。レタスにトマト、玉ねぎ、そして冬には時期にはめずらしくキュウリも置いてある。

一方、西麻布店の惣菜コーナーは独特で、厳選された6種類のなかに「きんぴらごぼう」「大根の和風煮」という見たことのない和食惣菜がラインアップされていた。フライドチキンもほぼ唐揚げなので、定番のポテトフライ以外はまったくサルヴァトーレらしくない。

イタリアンで出てくる和風おかずといっても、決して手抜きではない。大根の煮物はしっかり味がしみているし、うずらの玉子取り放題というのは、すごいサービスだ。春雨チャプチェは韓国料理だと思うが、ヘルシーパスタという感じで大盛りいただいた。

ブッフェで品数が多いのはうれしいが、目移りして試食しているうちにお腹いっぱいになってしまうこともある。「厳選した6種類の惣菜+生野菜」というは、お店にとってコスパの高い戦略といえる。お店の広さ的にもそこまでブッフェスペースは拡大できないのだが、バランスよく食材を並べて顧客満足度の維持に成功している。

サルヴァトーレ vs ガストのピザ

サルヴァトーレのマルゲリータはどこで食べても外れがない。たまにマリナーラの方を頼むとチーズが恋しくなってしまうので、やはりマルゲリータだけは別格といえる。

西麻布店の場合、ピザと一緒に自家製タバスコのようなものも付いてくる。粘度の低いオリーブオイルのような感じだが、そこまで辛くないので結構使わせてもらった。さすがにピザ1枚一人で食べると後半は飽きてくるので、タバスコで変化を加えてみるのもいい。

サルヴァトーレのマルゲリータ

サルヴァトーレのマルゲリータ

ほぼ半額で食べられるガストのマルゲリータと比較して、生地のモチモチ度合いはサルヴァトーレが上。しかし、上に乗っているモッツァレラチーズの量はガストが勝る。もちろんサルヴァトーレの方が手作りの本物感があるのは事実だが、ガストのピザも普通においしい。本格レストランには失礼かもしれないが、どちらのピザも甲乙つけがたいという感想だ。

ガストのマルゲリータ

ガストのマルゲリータ

同じマルゲリータでも、イタリアとアメリカくらいの違いがある。ひとことで言えば、生地と具のどちらがメインかという違いだ。日本では宅配ピザの流れで、アメリカ式が標準的なイメージ。予備知識なしにナポリピッツアを食べたら、「チーズしか具がない」と苦情が出かねない。

値段のわりにボリューム大

西麻布店のゆるやかな分煙、和風総菜というサービスは、周辺住民の嗜好に合わせて最適化されているように思う。各地のサルヴァトーレを訪ねて、基本のピザ以外に独自のローカル色が出ているのを発見するのはおもしろい。

お値段のわりに、ブッフェ付き平日ランチのボリュームはかなりお得だった。しかし、渋谷や新宿からわざわざ食べに行ける距離でもない。駅から若干遠くてわかりにくい場所にあり、そのあたりの条件が価格に反映されているのかもしれない。

ノルマのピザ/パスタ1皿平らげて、さらにサラダバーもガンガンよそえる人なら、東京でもっともお得なサルヴァトーレといえる。もし休日は価格がアップしてしまうので、優待券を使うなら平日ランチタイムがおすすめだ。