ガストの夏コレ、ビストロハンバーグの真価はアリオリポテトにあり

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自転車に乗ってランチは遠出できるようになったが、夏は暑いのであまり外に出たくない。結局、最寄りのガストに通う回数が増えてしまう。

お盆休みの今週は休日扱いのため、日替わりランチが提供中止。こういう時はピザやドリアの単品でしのぐのが定石だが、紙クーポンの割引を使って企画メニューを試してみるのもたまにはいい。

今日はクーポン値引き率の高かった「ビーフ100%ビストロハンバーグ」を選んでみた。単品で定価899円もするガストにしては高級品。普通のハンバーグと何が違うのだろうか。

ガストクーポンの多様性

現在、ガストで割引を受けるには、すかいらーくアプリと紙製クーポンを活用できる。

そして紙のクーポンには、グループ系列店を網羅した「グルメ周遊クーポン」と、主にガストに特化した「ガストグルメクーポン!」の2種類が存在する。ここ数年通って観察した感じでは、発行は不定期で両方かぶって提供されることもある。

ガストのクーポン券

同じメニューに3種のクーポンが全対応することもあるが、値引き額はまちまちだ。アナログな紙よりアプリの方が費用もかからず安く済みそうだが、紙クーポンの方を使った方が安いこともある。印刷・輸送費に比べて、アプリの開発費や維持費も馬鹿にならないということだろうか。

今回のビストロハンバーグについては、ガスト専用紙クーポンが100円引き。ほかは50円引きという状況だった。紙クーポンは切り取り式なので一度しか使えないが、毎日のように来店すると複数入手することもできる。

ガストのクーポン券(ビストロハンバーグ)

使えるメニューは限られているが、周遊クーポンでたまに出るバーミヤンの「餃子99円券」は貴重だ。これを貯めるためだけに、紙クーポンは何冊でももらっておく価値がある。

ハンバーグという愉楽

ガストに平日5日間通うと、日替わりランチでそのうち3日はハンバーグを食べさせられることになる。先日訪ねた「ステーキのどん」などに比べると、ガストのハンバーグは明らかに質が劣る。

しかしそもそも自分にとってハンバーグとは、家で作るのが面倒くさい外食専門メニュー。どんなかたちであれ「ハンバーグ」を食べられるならプレミアムという気分で、感謝の念をいだく。

「牛丼屋の肉がまずくて喉を通らない」という気持ちはわかる気がする。しかし「ガストの肉などゲスな食べ物。豚のエサだ」とのたまうようになってしまったら、人間終わりだと思う。

そういう人はいずれ上位ファミレスのブロンコビリーやカウボーイ家族でも満足できなくなり、やがてウルフギャングや「いしがまや」という高級クラスでないと物足りなくなってしまうだろう。

グルメ餓鬼道におちいらないためには、ガストやサイゼリヤの安いハンバーグで満足するすべを学ぶことが肝要だ。食べ過ぎてアレルギーが出るかまで、自分は生涯ガストに通い続けると思う。

ビーフ100%の実力やいかに

さて本題のビストロハンバーグ。「ビーフ100%」とわざわざ銘打っているからには、謎肉のミックスではない正真正銘の牛肉ということだろう。ソースはいつものデミグラスながら、赤ワインを追加して煮込んでいるようだ。ホワイトソースも添加されている。

ガストのビーフ100%ビストロハンバーグメニュー

上に乗った半熟卵の色味も食欲をそそる。ガストお得意のチーズインという、実質的な「肉の分量減らし」という節約技も使わないところが潔い。中にチーズが入ると、ハンバーグの中身半分はチーズのため空洞と化してしまう。

単品で優待500円を軽くオーバーする高額商品なので、ライスやパンのサイドメニューは頼まない。炭水化物は付け合わせのポテトで十分だろう。野菜は乏しいが、家に帰ってから補給してバランスをとればいい。

質実剛健な固めのハンバーグ

実物のビストロハンバーグは、写真で見るより色が黒い。サイズは日替わりランチと変わらないが、いつもより固く焼き締めてあるようだ。ビーフが主成分になると固さが増すのだろうか。それとも焦げ目が多いところをみると、ベリー・ウェルダンの仕上げなのかもしれない。

ガストのビーフ100%ビストロハンバーグ

ナイフを入れてみると、やはり肉は固い。「肉汁とはなんだ?」という感じの、引き締まったアスリート体質のハンバーグだ。どうせ腹に収まれば栄養分は変わらない。無駄に肉汁をしたたらせて成分をロスするよりは、しっかり焼いて内部に凝縮した方が効率的といえる。

ビーフ100%ということで、いつものガストハンバーグよりステーキに近い食感がある。違いとしては、せいぜい中トロとマグロの差くらい。好みによってはポークやチキン入りで柔らかいつくねハンバーグが口に合う人もいるだろう。

夏の企画メニュー、ビストロハンバーグとは、質実剛健な肉を求めるハードボイルド(ベイクド)向けのマッチョな一品だった。

アリオリポテトが絶品

この料理でもうひとつ注目に値するのが、アリオリポテトという付け合わせだ。メニュー表にある「にんにくが入っています」という注意書きのとおり、ほのかに漂うニンニク臭が食欲をそそる。

これは日替わりに付いてくる油っこいハッシュドポテトよりも、数倍得点が高かった。むしろハンバーグの量を減らしてでも、アリオリポテトを増量してほしいくらいだ。ほんの賑やかし程度の薄っぺらいパプリカなどいらないので、アリオリポテトを山ほど食べたい。

付け合わせのアリオリポテト

このスペイン風なガーリックポテトを食するためだけでも、ビストロハンバーグを注文する価値はある。通常ハンバーグとの価格差も、実はこの添え物の製造コストが大半ではなかろうか。そのくらいのギャップを感じさせる、すばらしいジャガイモ料理だった。