株主優待で新宿BEAMS日光金谷ホテル、1,800円の百年ライスカレー

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多彩な飲食店で使えるダイヤモンドダイニングの株主優待券。中でも今一番おすすめなおしゃれスポットが、昨年新宿のビームス地下にできた日光金谷ホテルクラフトグリルだ。

ランチタイムでも2,000円くらいする高級店なので、優待券がなければ庶民はお呼びでない。ネタ元の日光金谷ホテルといえば、フランク・ロイド・ライトやアインシュタインも滞在したという日本最古のリゾートホテルで、建物自体が有形文化財でもある。

日によっては1泊2万円を切るプランもあるので、そこまで高級というわけではないが、なんとなく歴史の重みで無教養な人間には敷居が高いと感じる。箱根の富士屋ホテルのような感じだろうか。

ビームスがキッチュな土産物屋に変貌

新宿の東口から少し歩いたところにあったビームスのビルが、2016年にリニューアルしていた。以前は各フロアに普通の服屋が入っていたと思うのだが、外国人観光客をもろに意識したポップな土産屋に模様替えしていた。

6~7階にフォーマルなビームスFが入っているくらいで、あとは別注品ばかりのエクスクルーシブなフロアやギャラリーだったりする。1階の狭いコーナーには猿田彦のスペシャリティ珈琲も入っていて今どきっぽい。

1階は日本各地の民芸品をBEAMS得意の別注で揃えた土産物屋になっている。「吉原ソープ」という石鹸とか、金箔を貼ったスマホケースやキューピー人形など、よくわからない品々が並んでいる。

どことなくD&DEPARTMENTのようだが、九品仏の1号店は理科の実験で使うようなシャーレとかステンレスのトレーとか無造作に置いてあって、もっと突き放した感じがある。ビームスの方はもうちょっとキャッチーに狙った感じで、商売上手という印象だ。上のフロアにはラジカセのアンティークが数万円で並んでいて、外国人がさかんに写真を撮っていた。

平日ランチタイムのクラフトグリルは貸し切り状態

古い白黒写真が並んだ階段を下りると、目指すCRAFT GRILLがある。日高屋やすき家が立ち並ぶ新宿東口エリアで1,800円のカレーはどうだろうと思ったが、案の定、平日ランチタイムに自分以外のお客さんはいなかった。

シェフ3名にウェイターもついて貸し切り状態だが、上から下までGUファッションの上に短パンで来てしまったので、若干いたたまれない感じがする。

以前は地下のフロアも普通にBEAMSだったと思うのだが、むき出しの天井に古材を貼り付け、床はヘリンボーン柄の嵌木でアンティーク感を出そうとしている。照明が真空管アンプのようになっていてチラチラきらめくのは中々雰囲気があってよい。

百年ライスカレーをレーズンバターライスで

今回選んだのはランチメニューの中でもまだ税込1,940円と安めの「新宿百年ライスカレー」。ご飯は4種の中からめずらしい「レーズンバターライス」でお願いしてみた。

ネーミングが意味深だが、「100年継ぎ足してきた秘伝のタレ」ではなく、100年前(大正時代)のレシピを再現したということらしい。古いからうまいとは限らないが、話のネタとしてはこれがおもしろいかと思った。

待っている間に調度品を観察すると、店名が刻まれた金属の箸置きに、アンティークなのか長く使い込まれた趣のフォークとスプーンが鎮座している。金色に輝くスプーンは真鍮製だろう。

紙のランチョンマットにはクラフトグリルのコンセプトが説明されている。おしゃれな雰囲気は保ちつつも親切な解説があるところが、D&DEPARTMENTと違ってBEAMSらしい。

登場した百年ライスカレーはご飯の横にフィレ肉のフリットが2個添えられている。普通に食べれば超高級と思われる肉なので、カレーに絡めて食べるのはもったいない。ここだけ塩を振って別にいただきたいところだ。

バターライスはそこまでバターという感じもしない普通の白米だが、レーズンを乗せて食べるのはよくわからない感じだった。ぶどうパンみたいな感じで大正時代はご飯にレーズンをまぶすのが粋だったのだろうか。

別皿のカレーの方は、ココナッツミルクが入っているせいか結構黄色っぽい。いろいろスパイスが入っていて繊細な感じだが、「百年」というほどぶっ飛んだ味覚ではなかった。無難い普通においしいがネーミングから期待されるほどのインパクトはなかった。

味的には、にしきやのレモンクリームチキンカレーに近いといえる。アマゾンで420円で買えるちょっと贅沢なレトルトカレーだが、ビームスの方も中身は実際こんなものだろう。フィレ肉と雰囲気代、サービス料で5倍くらい高くなっている。千円以上の高級カレーを食べるなら、神保町のボンディに行きたい。

クラフトグリルでお会計を済ますと、ランチタイム500円、ディナーは20%オフのチケットをもらえた。今日は始めから終わりまで自分一人だったが、価格が強気すぎて経営が厳しいのかもしれない。500円引きでも優待券がなければおいそれと入れないお店だが、東京観光のついでに寄ってみるには悪くないレストランだ。

新宿東口といえばプログレ館

BEAMSビルを一通り見学して通りに出ると、ディスクユニオンのプログレッシブ・ロック館に自然と足が向く。以前は向かいの地下フロアにあったが、2013年にリニューアルして3階に移転している。

最近はもっぱら御茶ノ水ジャニスでCDレンタルするようになってしまったが、高校生の頃からお世話になっている新宿東口のプログレ館は、個人的に日光金谷ホテルより歴史の重みを感じるサンクチュアリだ。

レコードや限定版を収集する趣味はないので目の保養程度だが、ライブ情報は今でも新宿プログレ館のニュースでチェックしている。今年は10月のマリリオンの来日が気になるが、まあ見送るか…。