リンガーハット優待増殖技。食べるスープか麺2倍、フードファイター論

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飲食系株主優待の中では、長期保有で特典が増えるめずらしいリンガーハット。ちゃんぽんは好きだが、正直配当も優待利回りもいまいちで魅力がない銘柄。食事券が追加されるのは「継続保有3年」と厳しい条件だが、気長に育てるつもりでホールドしている。

総会お土産を廃して優待アップすべき

前回2月の権利確定後、株主総会で議決権行使すると、優待券が追加で2枚(1,080円分)もらえるという新制度がスタートした。総会に直接出られればお土産が楽しみなのだが、ここ数年毎回応募して受かった試しがない。

もちろん郵送での議決権行使でもOKなので、さっそくハガキで申し込んでみた。100株保有の半年分に相当する優待券2枚が、ハガキを送るだけでもらえるとはうれしいサービスだ。

最近、株主総会のお土産や過剰なサービスを廃止する企業が増えているが、遠方で多忙の株主にはうれしい傾向だ。ただし、ダイオーズのように通常の株主優待より総会参加のお土産(コーヒー300杯)が売りの企業もあるので、お土産廃止してしまったら大きく株価が下がると思う。

リンガーハットの優待券は、保有株式を増やすと徐々に割り当てが増えていく形式だ。ある程度買い増せば、利回り1%は超えるかもしれないが、他社に比べると利率は渋い。すかいらーくやコロワイド関連など、めぼしい優待銘柄をあらかたそろえたあとで、コレクションするのはありかと思う。

居酒屋系の優待で、ランチに長崎ちゃんぽんを食べられるところはある。ただし、全国どこでも安定してちゃんぽんや皿うどんを食べられるチェーン店は、リンガーハットしか思いつかない。元九州人としては、大株主になって応援したい企業だ。

成田空港第3ターミナルの人気店

最近よくリンガーハットを利用するのは、成田空港の第3ターミナルだ。近所にあるので別に困らないのだが、ジェットスターやバニラエアを利用する際にLCCターミナルで時間を持て余す時がある。

格安航空専門のターミナルらしく、空港ラウンジにありがちな割高の洋食やステーキは置いていない。フレッシュネスバーガーやよくわからない丼もの、うどん屋がある程度で、唯一株主優待券を使えそうなのがリンガーハットである。

アジア各国から訪れる観光客に対して、寿司もラーメンも置いてない独特のファストフードに徹した店舗構成。ハンバーガーが日本発祥のフレッシュネスなのはうなずけるが、他国に対抗できるヌードルとして選ばれたのが長崎ちゃんぽんなのだろう。

もう一工夫欲しい「食べるスープ」

何気なくメニューを見ていて気付いた新商品「野菜たっぷり食べるスープ」。名前のとおり、ちゃんぽんから麺を省いた野菜スープだ。税抜680円なので定番の「野菜たっぷりちゃんぽん」より安いが、公式サイトによると野菜の量は480gで同じになっている。

過去の値上げで手が届きにくくなってしまった野菜たっぷりちゃんぽん。麺を抜いても40円しか差額がないというのは微妙だが、600円台で出してきた戦略商品といえる。

ちゃんぽんより小さい器で出てくるが、見た目はそう変わらない。スープに隠れた下層に、麺の代わりに野菜がぎっしり詰まっていると考えると、なかなか過激なメニューである。ドレッシングも変わらず2種類ついてくる。

売りの国産キクラゲや海老も漏れなく入っているが、主力はやはりもやしとキャベツ。野菜ばかり食べていると、さすがに飽きてくる。リンガーハットの麺は絶品というほどではないが、モチモチしたコシがあって好きなタイプだ。

糖質カットの健康メニューを売りにするなら、すき家の牛丼ライトのように、豆腐やコンニャクでも入れたらどうだろう。麺の代わりに春雨やコンニャク麺…太平燕みたくなりそうだが、ちゃんぽんスープとの相性はよさそうに思う。

ダブル麺2倍はたいしたことない

リンガーの麺が恋しくなったので、出張から戻ってさっそく普通のちゃんぽんをオーダーしてみた。当然、無料でダブルの麺2倍。デフォルトで大盛りにできると思えば、かなりリーズナブルなメニューだある。

写真ではいまいち伝わりにくいが、麺2倍用の器は洗面器並み。バケツで牛のエサを食べているような気分になれる。

2倍といってもカロリーは1,032kcalに過ぎない。塩分は10.7gとさすがに多いが、カロリーだけならバーミヤンの揚げ物尽くし日替わり定食を食べる方が多い。

これに比べると、最近コンビニで目を引くペヤングのGIGAMAXやきそばは2,142kcalもあり、どれだけすごいのかと思う。日ごろインスタント麺に慣れていなければ、一発でお腹を壊しそうだ。すでに国内で死人が出ているのではなかろうか…

マクドナルドのコーヒーが熱いとか、ファストフードが体に悪いと言いがかりをつけられるアメリカなら、速攻で訴訟沙汰になるだろう。賢明にも「※1日1食までにして下さい」と注意書きが書いてある。

古典的自由主義の立場としては、体に悪いものを食べて健康を害するのは自己責任。一部の顧客とのトラブルを恐れず、こういうぶっ飛んだ商品をどんどん企画してほしい。大食い志向の人には、むしろペヤングを何個も茹でなくてよいと、喜ばれることだろう。

ハンター錠二がカッコいい

リンガーハットのダブルサイズをスープまで完飲できるのは少し自慢だったが、カロリー的には大したことないとわかった。先日読んだフードファイトマンガの『喰いしん坊!』、ハンター錠二にならって、両手に箸を持つ二丁食い、早食いペースでのぞんでみた。

温泉街の湯治宿とか、素泊まりの格安民宿にはなぜかこの手の料理マンガがよく置いてある。ゴルゴ13や任侠物より当たり障りなく万人受けするからだろうか。思わず温泉に浸かるのも忘れて読みふけってしまった。

一見B級の作品に見えて、キャラの描き方がなかなかうまい。ハンター錠二が勝負に臨む際、上着を脱ぎバキバキに割れた腹筋をシャツ越しにちらつかせながら言うセリフ。

アスリートは一度スタートラインに立ったら、どんな条件でも闘い抜くしかねェんだ!

単なるグルメマンガでなく、フードファイトをテーマにしたスポーツ物としても読める。OKFF(大阪食い倒れフードファイター)なる団体が出てきたり、邪道食い、寿司の二貫喰いなど得意技・必殺技の類も興味深い。

マンガの中で引退した御大が、「大食い・早食いは文化だ」と豪語しているのも、あながちうそではない。江戸時代に蕎麦やウナギの大食いが行われた記録は残っているし、中国からエジプトまで、大食いで歴史に名を遺した偉人も多い。

大食い、早食い、eスポーツ

いまではeスポーツがオリンピック競技になるかもしれない時代なので、大食い・早食いが正式競技になったとしてもおかしくない。オリンピックといっても商業イベントなので、スポンサーが付くならIOCは何でも歓迎だろう。むしろゲームや飲食の方が広告代は稼げそうだ。

ホットドッグの早食いで有名な小林尊のように、フードファイターという職能に憧れる子どもたちが出てくるかもしれない。日ごろのトレーニングでかさむ食費をペイするには、食べ放題系の株主優待が役に立つ。

サラダバー付きのファミレスならビッグボーイやステーキガスト、どちらもカレーやフォッカッチャの主食付きなので、サラダ以外の食材も訓練できる。鍋系ならしゃぶ葉、焼肉ならじゅうじゅうカルビ、どちらも平日ランチタイムは1,000円で食べ放題できるメニューが存在する。

こうしてみると、すかいらーく系列には食べ放題店が多く、大食いにはおすすめの銘柄に見える。特に傘下のニラックス系はブッフェ店が主力だ。利回りも抜群なので、ほかのしょぼい銘柄を買い集めるより、すかいらーくを1,000株コンプリートした方がお得だろう。